御船倉は、1608年、萩城築城後に建てられました。現在ある御船倉を含めて全部で4棟の御船倉が建てられ、その中でも一番大きな御船倉が現在残っています。御船倉の大きさは縦27m、幅8.8m、高さ8.8mと広い空間になっており、石壁の厚さは6m、面積は423.45uと丈夫に作られています。上部が瓦になっていますが、全国で屋根があるのはこの御船倉だけです。
御船倉は船を格納するためにあるのに、なぜ陸地にあるのか疑問に思いませんか?
御船倉の壁に使用されているのは、笠山から積み上げられた玄武岩です。当時、萩の城下町には石がなく、現在と違って昔はトラックなどがないので、出来るだけ近い場所から石を運ぶことを考えた場合、笠山の玄武岩が一番近かったのでこの石を使用しました。大きい石などはそのままだと運べないので、のみで割って小さくして運んでいました。 そうして石を運ぶことから始まり、御船倉をひとつ作るのに4〜5年かかりました。
玄武岩の間をよく見てみると、赤土を埋めてすき間をなくす工夫がされています。玄武岩には、のみを打った傷あとがありそこも見どころです。また、上を見上げると太い木があり13本あり、それは当時のままとなっています。