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現在、焼物の多くは電気窯やガス窯で焼かれております。微調整が容易で安定して焼け、かつ設置・維持コストが安いことがその理由です。しかし、それらの窯が普及する前までは、窯と言ったら登り窯や窖窯(あながま)などの「薪を使って焼く窯」のことを指しました。そして、それらの窯(以下、薪窯)は数千年の歴史を経て改良に改良を重ねられた陶工達の英知の結晶でもあるのです。

登り窯は、そういった現代に伝わる薪窯の代表例です。
薪窯の特徴といいますと

 1) 燃料は薪(主に松の木)である
 2) 焼成が難しく、結果が不安定である
 3) 作品に灰が降りかかるため、それが景色となったり失敗となったりする
 4) 大量の煙を排出するため、周辺住民に迷惑がかかる場合がある

といったことが挙げられます。そして、登り窯となりますと以下の項目が加わります。

 5) 一般的に大きな窯である
 6) 焼成室がいくつかに区切られている
 7) 窯が斜面上につくられている

登り窯の各部屋は一番下が@大口(燃焼室)となっており、その上から一番窯、二番窯...と(それらをA焼成室という)が続き、それらが繋がった形態をしています(泉流山の登り窯は四番窯まであります)。そして最上部の部屋の先は煙道そしてB煙突へと続きます。
また、各焼成室には薪(まき)を放り込むための小さな穴(小口)が設けられています。 産地によっては大口を胴木の間、一番窯二番窯を一の間二の間、小口を挿し木口と呼ぶなど多少異なることもあります。

各部屋は斜面上に作られているため、下の部屋の熱が自然に上の部屋へと移動していきます。
つまり、下の部屋の余熱を上の部屋の余熱に利用するのです。

このことにより、一番窯を焼き上げるまでには時間がかかりますが、焼き上がった頃には二番窯は充分に熱せられており、かなり短時間で焼き上げることが可能となります。
三番窯、四番窯についても全く同様です。

登り窯のもう一つの特徴として、各部屋の構造が「半倒焔式(とうえんしき)窯」であることが挙げられます。
倒焔式窯とは中を巡る炎の出口が窯の下部にある窯のことを指します。炎の出口が上部にあると窯内に大きな温度差が生じてしまいます(下の方ほど温度が低い)が、それが下部にあると温度差は比較的小さくなります。登り窯は斜面に作られているため、完全な倒焔式窯とは言えませんが、それでも窯内の温度差を小さくするべく考案された構造をしております。

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