萩の七化け・茶馴れ
萩焼の大きな特徴は、焼き上がりの土の柔らかさとその吸水性にあります。 登り窯によって、低温度で長時間ゆっくりと焼くため作品の感触が良く、土があまり焼きしまっていないので重たく保湿性を持っています。 さらに、吸水性があるため長年使っていくうちに貫入(表面の細かいヒビ)から、茶や酒が浸透して茶碗の色彩や艶が変化します。 これは「萩の七化け」、「茶馴れ」と言われ、珍重されています。
また、萩焼の形、装飾の素朴さにも特徴があります。伝統的に朝鮮式のろくろが使用され、その微妙なブレを生かして製作され、絵付けはほとんど行われていません。 反面、土の配合、釉薬(ゆうやく)のかけ具合、ヘラ目、登り窯などの特有性による偶然の効果が期待されます。
*釉薬…高温で溶けて、土の表面にガラス質の皮膜を作るものです。やきものを美しく見せたり、水分がしみ込むのを防いだりする働きがあります。
使用上の注意点
上記の項目で記した通り、萩焼は吸水性が豊かです。 それはつまり萩焼が水漏れやすい事を意味します。 特に「鬼焼」は萩焼の中で最も土が荒いため、お茶を飲んだ後、茶たくにお茶がたまっていることが当たり前のようにあります。大抵の場合、使っているうちに止まってきますが、中には大変時間がかかるものもあります。
そして油分の多い食品や醤油などを長時間入れたまま使用したり、電子レンジ等を使用することは、シミ・異臭 ・べたつき・カビの原因になります。 使用後は、とにかくよく洗い、乾燥させてから収納するとそれらを防ぐことができます。特に徳利は一晩水につけ、しっかり乾燥させて収納すると良いでしょう。また、萩焼の柔らかさは熱を逃がしません。そのため、欠けたり割れたりしやすい性質になっています。 だから、使用後はほかの食器とは別に一つずつ別に洗うようにすると良いです。 もし欠けたり割れてしまったら、専門の補修屋さんに頼むか、ホームセンターの陶器用ボンドで接着等すれば大丈夫です。
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