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松林庵は萩で唯一の登り窯だけで萩焼を焼いている窯元です。玉村さんの「見た目ではなく、昔ながらの良さを活かしつつ現代にあった焼き物作りをしたい」という思いからずっと登り窯だけで焼くという伝統を守り続けています。
メリット
・ガス窯や電気窯では出せない風合い風雅、味わいがでる (自然な釉薬のとけ具合と土味)
デメリット
・全てが完璧に自分の思い通りに焼くことは難しくなる (人の手の及ばない自然的要因が多く入りやすい)
登り窯のみだとリスクが高いため、登り窯だけでなく、ガスや電気の窯で萩焼を焼く窯元が多くなる
登り窯の燃料は薪。
熱はまず窯のレンガが吸収⇒窯道具(棚板や脚)⇒焼き物の土⇒焼き物にかかっている釉薬が溶ける
⇒焼成終わり
温度の上がり方は、ガス窯や電気窯に比べて緩やかで、急激に上げることはできません。
ガスや電気はつまみやスイッチを押せばいくらでも温度を上げる事が出来ますが、登り窯でそれをしようとすると
薪が窯に詰まってしまい不完全燃焼となります。
急激に温度を上げる事が出来ないということは、薪を焚くのを終えても温度は急激に下がらず、その間にも釉薬がとけて、
結果としてとけ過ぎてしまうことがあります。
こういうことがあるので、自分の思い通りに焼きあげるのは難しくなります。
でも、思い通りにならないということで人智を超えた焼き上がりになることもありますし、またそれが新しい作品作りのきっかけになって、その自然な焼き上がりを自分の技とするために努力し、それを成し遂げることが愉しみや、やりがいになります。
土が焼けて釉薬がとけるので、火の強いところで焼いたものは萩焼でよく言われる「漏れる」ことがないほど土が硬く焼き締まります(茶道で使うお茶碗はお茶がしみだして碗に景色を作る、いわゆる「萩の七化け」を愉しむために、比較的火の弱いところで焼きます)。
見た目はガスや電気の方がきれいに焼き上がることが多いですが、登り窯ではそれには変えられない価値があるのです。
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