円政寺とは

―円政寺の成り立ち―

　建長６年（１２５４年）に山口に創建され、大内氏の祈願寺であった。
　大内氏が滅亡した後、毛利輝元が長州藩を治めていた慶長９年（１６０４年）ごろに 萩城の築城とともに城下の塩屋町（現在の多越神社の地）へ移転され、 毛利氏の祈願所となった。
　さらに明治３年（１８７０年）の神仏分離令により 現在の場所にあった法光院と合併し、現在地に移転した。 法光院は慶長年間に山口から萩へ移った寺院である。
　嘉永４年（１８５１年）ごろ、 当時１１歳となった伊藤博文は約１年半の間この寺に預けられ、 親戚の住職の下で雑用をするかたわら読書や習字を教わった。
　境内の金毘羅社は法光院の時代からあったものであり、神仏分離令が出た際に寺の嘆願により 廃社を免れため、現在のような神仏習合の寺院となっている。 また、合併の時に満願寺という寺院も境内にあったが、大正元年（１９１２年）に現在の防府市へ転出した。

―見どころ―

１.金毘羅社

　円政寺の山門の前には石の鳥居があり、境内にも十二支の彫刻が施された金毘羅社の社殿がある。
　十二支の彫刻は、国民的アニメ 『名探偵コナン』の第５１９話 「明治維新ミステリーツアー（解読編）」でも紹介された。
　拝殿には朱色の大きな「天狗の面」がかけてあり、高杉晋作は子供のころ、 家人に連れてこの天狗の面を見せられ、物おそれしないようにしつけられたという逸話がある。 同様に桂小五郎も、幼少期には背負われてこの天狗の面をよく見に来たと言われる。
　また、文化１２年（１８１５年）１２月１１日、母の産後の病気快癒を祈願した兄弟２人は、 金毘羅社がご利益が大きいという話を聞き、百度参りを重ねて風雪に阻まれて亡くなったことがある。 いわゆる「香川津二孝子の美談」は、吉田松陰も聞いたといわれる有名な話で、 藩公の命より現在の萩市椿東に頌徳碑も建てられた。
　円政寺境内には、二孝子の鎮魂本尊像及び二孝子にまつわる石碑２点、奉納絵馬2点がある。

２.鳥居

　鳥居を立てる風習は、神社の建物がつくられるようになる前から存在した。 鳥居は一般的には神社を象徴するものとして捉えられているが、 仏教寺院にも見られることがある（→神仏習合）。
　円政寺は、お寺だが鳥居がある。 その鳥居には普通の鳥居と違った特徴がある。 円政寺の鳥居は、柱の先が饅頭のような丸みを帯びている。 ここが普通の鳥居とは違うところである。
　これは、円政寺の境内にはお寺と神社の両方があるという意味である。 入り口には鳥居、境内には十二支の彫刻が施された金毘羅社社殿があり、 全国でも珍しい神仏習合の形態がみられる。

３.石灯籠

　安政５年（１８５８年）に萩の町人たちに寄進された高さ５.０７ｍの石灯籠は 山口県で一番大きいと言われる。
　灯籠に彫刻されている龍は透かし彫りで立体的に彫り込まれた。 また、灯籠を支える４つの猫足が動くような仕掛けが施されているため、 地震が起きても倒れないと言われる。

４.木馬

　円政寺の境内には子供の時代の高杉晋作や伊藤博文らが遊んだと言われる、 文政３年（１８２０年）に寄進された木馬（神馬）がある。 頭をなでると学力が向上するというご利益がある。

5.おみくじ

　円政寺には種類豊富なおみくじがある。 普通のおみくじの他に、天狗みくじ、招き猫みくじ、恋みくじ、子供みくじ、 血液型のおみくじなど、多数のおみくじがある。
　他にも、円政寺の中にはお土産が売られている。 円政寺に訪れた際に、見て回ってはいかがだろうか。

―カフェ情報―

＜カフェテリア異人館＞

　所要時間：円政寺から徒歩２分
　店舗所在地：山口県萩市大字呉服町２丁目６１

＜HANA CAFE＞

　所要時間：円政寺から徒歩２分
　店舗所在地：山口県萩市呉服町２丁目１０

＜晦事(ことこと)＞

　所要時間：円政寺から徒歩２分
　店舗所在地：山口県萩市呉服町２丁目３２

＜パトラカフェ＞

　所要時間：円政寺から徒歩３分
　店舗所在地：山口県萩市平安古町６０３-３

＜キモノスタイルカフェ＞

　所要時間：円政寺から徒歩５分
　店舗所在地：山口県萩市呉服町２丁目３９１

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